いちばん危ないのは「黙って上げる」
言いにくいので、何も告知せずに価格だけ変える。気持ちはとても分かります。でも、お客様がそれに気づくのはレジや請求書の場面です。
そのとき起きるのは「高くなった」ではなく、「黙って上げられた」という感情。金額の話が、いつのまにか信用の話にすり替わってしまいます。ここが分かれ目です。
①できれば1か月前には知らせる
目安は1か月前。早く知らせるほど、誠実な印象になります。「駆け込みで今のうちに」と利用してくださる方もいて、告知そのものがきっかけになることもあります。
常連さんや、定期的にご利用の法人には、掲示より先にひとこと伝えるのが理想です。「お知らせで初めて知った」と感じさせないことが、長いお付き合いでは効いてきます。
②理由は正直に、ただし短く
理由は書いたほうがいいです。ただし長くなるほど言い訳に見えます。
- 一文で十分……「原材料と配送費の高騰により」「最低賃金の改定にともない」。
- 数字は無理に出さない……出すなら正確に。あいまいな数字はかえって疑われます。
- 他社や社会のせいにしすぎない……「自分たちで判断した」という姿勢のほうが信頼されます。
③謝りすぎない
意外に思われるかもしれませんが、ここは大事です。「申し訳ありません」を繰り返すほど、自分の商品の価値を下げてしまいます。
お詫びは一度で十分。主役は感謝と、これからの約束にします。
- ×「たいへん心苦しいのですが……何卒ご容赦を……」を延々と
- ○「いつもありがとうございます。品質を守るため、◯月◯日から価格を改定します。これからも変わらず◯◯していきます」
④「変わらないもの」も一緒に伝える
値上げのお知らせは、変わることだけを書きがちです。でもお客様が知りたいのは、「これまでどおりのものが受け取れるのか」。
- 据え置く商品・メニューがあるなら明記する。
- 量や質を落としていないなら、それを書く……黙っていると「値段だけ上げた」と思われます。
- 値上げに合わせて良くしたことがあれば添える……国産に変えた、時間を長くした、など。
ふだんから、価格の隣に「なぜこの値段なのか」を書いておくと、改定のときに説明が要りません(ホームページに料金は載せるべき?「要問い合わせ」で迷ったときの考え方)。
⑤ホームページの価格を必ず直す
実務でいちばん多いトラブルが、これです。店頭は新価格、ホームページは旧価格のまま。
お客様は来る前に必ず調べています。表示と実際が違えば、その場で気まずくなり、印象も悪くなります。改定日には、サイト・メニュー表・Googleビジネスプロフィールを同じ内容にそろえてください(Googleビジネスプロフィールとは?無料でできるお店・会社の集客とホームページの相乗効果)。
なお、消費者向けの価格表示は税込みの総額表示が求められます。書き方の詳細は国税庁や消費者庁の情報をご確認ください(当社は税や法律の専門家ではありません)。
どこに出すか
- ホームページのトップと料金ページ……お知らせ欄の奥ではなく、見える場所に。
- Googleビジネスプロフィール……検索で最初に見られる場所です。
- 店頭・レジまわり……紙一枚でも効果があります。
- SNS……流れてしまうので、改定日が近づいたら出し直しを(夏季休業のお知らせ、ホームページに載せていますか?書き方と載せる場所と同じ考え方です)。
SKY JET DESIGN & WEB では、料金の見せ方(金額の隣に理由を置く構成)も含めてサイトを設計しています。改定のたびに更新が必要になるので、ご自身で直せる仕組み(ブログ・お知らせ機能/CMSオプション・60,000円〜・税込)もご用意しています。ちなみに当社も、制作費の総額と月額保守の金額をサイトで公開しています。「価格の伝え方から相談したい」というご依頼も歓迎です。